Hans Jonas「責任といふ原理⸺科學技術文明のための倫理學の試み」1979
科學・技術の沒價値性
事實・價値の二分法。事實命題から當爲命題は演繹できない
原子爆彈の發明がもたらす破壞力の增大を嘆くことはできる。しかしその嘆きはまさに、原爆が技術的には「よりよい」ものであり、その意味で殘念ながら原爆の發明は進步であるといふ事實に對する嘆きなのである。
彼は、テクノロジーが破壞力といふ惡をもたらすから危險だと考へてゐたのではありません。むしろ、テクノロジーにおいて破壞力が惡ですらなくなるから危險だと考へてゐたのです。
抽象的な有用性
價値 = より多くの價値を得る
有用性 = 有用性の爲に有用である事
決して全體的にはならない。假象を行使する。領域限定的・專門的構想 責任の對象 = 生命
物質から異質 (異和をもつ) であり、異質であるが故に世界に對する存在
代謝の不備によって困窮できる存在
呼び掛ける存在
乳飲み子
生まれたばかりの子ども。その呼吸は、ただそれだけで、周圍に對して反論の餘地なく、自分を世話することへの當爲を向ける。見れば分かることである。
井戶に落ちそうな子供
眼前存在
←→手元存在。道具的存在
←→死を覺悟する。死を準備する
世界からの負ひ目
嘗てもった事の無い良心の呼び聲 (Ruf des Gewissens) によって目覺められる、不意に掛けられる聲にいつでも應へやれる樣に決意する
抽象的な決意。價値によらない決意
決意性それ自身は、ひとがそれのために、またそれに對して、決意するところのものではなく、人が決意するといふことが、本來的な現存在の本來的なサインになる
決斷主義。未來派。加速主義
變化の爲の變化。新しさの爲の新しさ
個別的命令
責任の主體 = 人閒
普遍的な人閒像を構想できる存在
神の肖 (形象) であって、神の像 (似姿) を構想できる存在 呼び聲を聞き屆ける義務をもつ存在
Jonas さんは、利他できる存在である事しか責任の主體になれる根據として擧げてゐない。利他は多くの生物種に認められる
人は熊神のやうな動物を古くから責任ある主體として認めてきた
近年では、人を喰った惡神の責任を問ふ事を放棄し驅除する事しか考へてゐない樣だがね
責任を成立させる爲の責任がある
存在論的命令
個別的命令の前提。責任を果たすべきである限りは滿たされなければならない
責任の主體とは人閒だから、責任が成立する條件である人類を存續させる責任がある
責任能力をもつ現實存在を可能であらしめ續ける責任がある。故に未來世代を可能であらしめ續ける責任がある
未來世代からの呼び聲に應じた責任ではなない
世代閒衡平性 (intergenerational equity) ではない 過去世代の復活
アウシュヴィッツ以後の神觀念
全能・完全な善・理解可能性の內の全能を諦める
無力な神
決定論・自由意志・透明性の內の決定論を諦める
聖靈。ガルデアの機族
始まりにおいて、私たちには知りようもない選擇によって、存在の根據である神的なもの (göttlicher Grund Seins) は、生成といふ偶然と冒險と無限の多樣性に身を委ねることを決定した。しかも、それは全面的になされた。すなはち、空閒と時閒の冒險へ入り込んだとき、神は何一つ自分の要素を殘しておかなかった。
始まりの神。第一原因
神の像である宇宙の展開の後に、宇宙は人閒による不確かな管理の下へ移行した 行爲の不死性 (Unsterblichkeit der Taten)
神の像である被造宇宙に描いた線は消えない。刻印。傷跡 人閒の行爲が永遠の領域に參入するといふ尺度に基づく責任であって、この領域においては人閒の行爲は決して消え去りはしない。
≠
地上の因果性の尺度に基づく責任であって、それによれば、人閒の行爲は近い未來ないし遠い未來にに影響を及ぼしつつ、最終的にはその未來のうちに消えてゆく。
殺された人々は忘れられない